研究課題/領域番号 |
19590833
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00256447)
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研究分担者 |
川井 真 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40277025)
小武海 公明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60360145)
大津 欣也 大阪大学, 大学院・医学研究科・医学部, 准教授 (20294051)
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キーワード | 細胞内Ca動態 / 筋小胞体機能 / 遺伝子改変 |
研究概要 |
マウス心室筋を用いた筋小胞体機能評価法の確立を行った。マウス左心室より細い肉柱標本を摘出し、界面活性剤であるサポニンで処理して細胞表層膜のみを選択的に除去したサポニンスキンド標本を作製した。Western Immunoblot を用いて筋小胞体膜上の機能蛋白質につき検討したところ、筋小胞体機能と密接に関連するCa放出チャネル(リアノジン受容体)、Ca取り込みポンプ(SERCA)、SERCA機能調節蛋白(フォスフォランバン)、筋小胞体内Ca結合蛋白(カルセクエストリン)は全て生筋同様に保たれていた。一方で、細胞質内成分であるプロテインキナーゼCαはサポニンスキンド標本で消失しており、標本周囲の溶液組成により細胞内環境が調節されうることが確認された。電子顕微鏡を用いた検討では、サポニンスキンド標本において、筋小胞体、T管構造、ミトコンドリアなどの構造は全て生筋同様に保たれていた。以上よりサポニンスキンド標本により筋小胞体機能を詳細に評価できると考えられた。溶液中のCa濃度を調整することにより、種々の条件下で筋小胞体にCaを負荷した後、高濃度カフェインを作用させ、筋小胞体より放出されたCa量を蛍光色素fluo-3により計測した。本方法を用いて、筋小胞体内最大Ca取り込み量、筋小胞体へのCa取り込み能、Ca誘発性Ca遊離(CICR)及び筋小胞体よりのCaリークにつき評価を行った。筋小胞体機能亢進マウス(SERCA-TG)においては、筋小胞体へのCa取り込み能は正常マウスに比し有意に亢進していたが、最大Ca取り込み量、CICR、Caリークについては有意な差は得られなかった。一方で、筋小胞体機能抑制マウス(SLN-TG)では、筋小胞体へのCa取り込み能は正常マウスに比し有意に低下しており、最大Ca取り込み量、CICR、Caリークについては正常マウスと同様であった。
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