本年度は培養心筋細胞を用いた、invitro実験を行った。ラット新生仔培養心筋細胞を用いグルコース除去、血清除去の培養液を用いて、オートファジーの誘発を行った。 オートファジーの検出をmonodansylcadaverine(MDC)蛍光染色にて行い、オートファジーの定量を同じくMDCの蛍光強度をフルオロメーターにより測定した。また、オートファゴゾーム形成の際に発現増加が知られているLC3等、オートファジーに際して発現増加が報告されているBeclimn I、Cathepsin D、Ubiquitin、のWesternblotを行い我々の実験系における至適実験条件の設定を行った。 次に、心疾患の中でも予後不良の病態として知られる、心アミロイドーシスのモデルとして。アミロイドβ(1-42)(10μM)、あるいはその障害に関連すると報告されているC2ceramide(1-10μM)を培養上清に添加し、12時間、24時間培養を行った。C2 ceramideは濃度依存性にLC3発現を増加させ、オートファジーの特徴とされる16kDa typeのLC3発現の増加が認められた。アミロイドβ(1-42)もceramideに比べるとその程度は軽度ながら同様にLC3発現の増強を誘導した。さらにBeclin I発現、Cathepsin D発現においても同様の結果であった。また、MDC染色、及び蛍光強度測定においても、Ceramideやアミロイド投与により、蛍光が増強する傾向が認められている。 これらにより、心アミロイドーシスの病態、及びceramideの心筋細胞への作用に、オートファジーが関与している可能性が示唆された。
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