研究課題
(1)新規p300/GATA結合蛋白の同定GATA4複合体を構成する蛋白を網羅的に解析し、73個の結合蛋白を同定した。この結合蛋白の中には、転写に重要な役割を果たしている蛋白が含まれていた。転写の伸長反応の促進化関与するP-TEFb(positive transcription elongation factor-b)、ATP依存的にクロマチン構造を変化させ転写を制御するクロマチンリモデリング因子であるSWI/SNF複合体、クロマチン構築因子Chromatin Assembly Factor-1(CAF-1)などが含まれていた。(2)P-TEFbによるp300/GATA経路活性化のメカニズムの解明73個の結合タンパクの中で、我々はP-TEFbに着目した。P-TEFbはCdk9とCyclin T1のグイマーからなり、RNA polymeraseIIを制御することが知られている。GST pull-downアッセイにより、Cdk9はGATA4と、さらにはp300と直接結合した。培養心筋細胞を用いた実験で、Cdk9のキナーゼ阻害薬であるDRBは、フェニレフリン刺激による肥大反応を抑制した。DRBは、フェニレフリン刺激によるp300のリン酸化およびGATA4のアセチル化の増加を抑制した。また、フェニレフリン刺激によってGATA4とCdk9の結合が増加し、Cdk9はGATA4によって肥大反応遺伝子であるANFプロモーター上にリクルートされる事を見出した。さらに、フェニレフリン刺激によるANF遺伝子のプロモーター活性をDRBが抑制する事がわかった。このことより、肥大刺激によるp300/GATA経路の活性にCdk9のキナーゼ活性が必要であることが示された。
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