研究課題/領域番号 |
19590873
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高山 忠輝 日本大学, 医学部, 助手 (10366601)
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研究分担者 |
本江 純子 日本大学, 医学部, 講師 (80256841)
齋藤 穎 日本大学, 医学部, 教授 (10130501)
平山 篤志 日本大学, 医学部, 教授 (50459880)
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キーワード | 再生医療 / 経冠静脈動による骨髄細胞移植 / カテーテル治療 / 心筋SPECT / 虚血性心疾患 |
研究概要 |
経冠静脈骨髄細胞移植療法を虚血性心疾患患者で、すでにカテーテル治療・冠動脈バイパス手術をうけて、治療不応性の病変と判定された10例のうち、循環器内科外科検討会および心臓細胞移植合同検討会(血液・麻酔・小児科・基礎)を各症例に実施し、承認が得られたものは、3例であった。平成19年度においては経冠静脈骨髄細胞移植療法を3例実施できた。その3例の内訳は平均年齢64歳、全員男性で、重症3枝病変に対し、バイパス術後で心筋SPECTにて左前下行枝領域に虚血を認めていた。手術室において局所麻酔下に側ガイ位で腸骨から50mlを採取した。骨髄液は遠心法にて5mlに濃縮し、骨髄単核球層を分離した。細胞数は10^6個以上を全例で確保した。CD34細胞数も約1%程度含まれていた。骨髄採取後に、心臓カテーテル室で内頚静脈から穿刺し、0.035ガイドワイヤーを先行させ、細胞投与用のGENTカテーテルを前室間静脈に進め、ダブルバルーン拡張を行い18分で投与を終了し、CCUに入室し、1日経過観察を行い、翌日には一般病棟に転出した。全例合併症なく終了し、1週間以内に退院となった。3例とも細胞移植前に比較し、3ヵ月後の臨床症状(胸痛・息切れ)の改善を認めた。うち1例では心筋SPECTに安静時および運動時の血流の改善を認めた。残り2例では心筋SPECT上の変化は認めていない。6ヵ月後の心筋SPECTの結果を再検討する予定であり、現在は経過観察中である。現在2例検討中であり、平成20年度は、さらに5例を実施予定である。今後の症例においては、冠動脈予備能の測定、対象病変外の冠動脈プラークの観察などをさらに実施する予定である。
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