研究課題/領域番号 |
19590873
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高山 忠輝 日本大学, 医学部, 助教 (10366601)
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研究分担者 |
本江 純子 日本大学, 医学部, 講師 (80256841)
平山 篤志 日本大学, 医学部, 教授 (50459880)
齋藤 穎 日本大学, 医学部, 特任教授 (10130501)
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キーワード | 再生医療 / 経冠静脈による骨髄細胞移植 / カテーテル治療 / 心筋SPECT / 虚血性心疾患 |
研究概要 |
(背景・対象)血管新生療法は、未だ有効な治療法が見いだされていない虚血性心疾患において冠静脈カテーテルを用いた骨髄細胞移植治療の有用性について検討した。日本大学医学部附属板橋病院で対象期間2005年1月1日〜2007年12月31日CAG2018症例、PCI1040症例、CABG術後PCI42症例、CABG351症例、Re-do CABG4症例、PCI・CABG・薬物療法を最大限に施行してもなお狭心症状が残存し、心筋SPECTにより虚血が残存している(no-option)慢性虚血性心疾患7症例、2008年になり1例追加となり計8例、治療不応性虚血性心疾患8症例のうち、2症例で悪性腫瘍がみつかり、1症例で重度の肺機能障害があり不適切と判断した。5症例に対して最終的に細胞移植治療を施行した。 (方法・結果)日本大学で特許を取得しており、産学共同開発プロジェクトによる冠静脈逆行性オクルージョンバルーンカテーテル(GENTカテーテル)を使用し骨髄細胞移植を行った。それぞれ、4週間後・6ヶ月後にRIを施行し、本人の自覚症状およびシンチグラム上の虚血改善が認められた。 (考察)慢性虚血性心疾患に対する逆行性冠静脈経由による骨髄単核球移植治療および衝撃波治療による、治療不応性慢性心筋虚血に対する虚血改善効果が示唆された。自覚症状は、大部分の症例に認められた。細胞数の少なかった1例では、シンチでの改善は認めなかった。また、CD34細胞数と虚血改善効果はシンチの結果では相関することが確認された。しかし、治療効果が長期に維持されるのか、予後は改善しているのかなどについては、今後も継続的に検討が必要である。今後、これらの虚血性心疾患に対する再生医療として実用化していく。本件研究は、2008年冠疾患学会シンポジウム、2009年日本循環器学会総会一般演題にて報告し、長期成績をあわせ論文作成、2009年投稿予定である。
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