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2008 年度 実績報告書

NKT細胞のリガンドを用いた結核感染症に対する新規樹状細胞ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19590888
研究機関浜松医科大学

研究代表者

須田 隆文  浜松医科大学, 医学部, 助教 (30291397)

研究分担者 永田 年  浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
千田 金吾  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40197611)
キーワード樹状細胞 / ワクチン / NKT細胞 / リステリア
研究概要

結核菌などの細胞内寄生菌感染症に対するより有効な細胞ワクチンを開発することを目的に,我々が以前から用いてきた細胞障害性T細胞(CTL)エピトープをパルスした樹状細胞(DC)ワクチンの効果をさらに高めるために,NKT細胞のリガンドであるガラクトセラミド(αGalCer)を添加したDCワクチンの有効性について,代表的な細胞内寄生菌であるリステリア菌のマウス感染症を用いて検討した.リステリア菌のCTLエピトープであるLL091-99をパルスし,αGalCeを添加したDCワクチンを投与することによって,添加しないDCワクチンと比較し,LL091-99特異的な細胞障害性T細胞が脾および肺で有意に増加し,さらに,脾細胞におけるLL091-99特異的なIFNγの産生が有意に増加した.また,in vivo細胞障害性T細胞アッセイを行ったところ,αGalCeを添加したDCワクチンを接種したマウスでは蛍光色素陽性脾細胞が有意に減少し,生体内でもLL091-99特異的な細胞傷害性T細胞が誘導されていることが証明された.これは,クロミウム遊離を用いたin vitro細胞障害性T細胞アッセイでも確認された.αGalCe添加DCワクチン接種時の体内のサイトカイン動態を評価するために血中サイトカインを測定したところ,IL-4などのTh2サイトカインに加え,著明なIFNγの上昇を認めた.このIFNγによって効率よくLL091-99特異的なTh1, Tc1が誘導されるものと考えられた.さらに,マウスのリステリア感染モデルを用いて,αGalCe添加DCワクチンの感染防御誘導能を検討したところ,無添加DCワクチン接種と比較し,肺,脾臓などの臓器内菌量は有意に減少し,生存率も有意に改善した.以上より,NKT細胞のリガンドであるαGalCeをDCワクチンに添加することによって,細胞内寄生菌感染症に対するより強力なワクチン効果が得られることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Mucosal Vaccine Using Cytoloxic T Cell Epitope-Pulsed Dendritic Cell Confers Protection for Intracellular Pathogen2009

    • 著者名/発表者名
      Ozawa Y., Suda, T., el al
    • 雑誌名

      Am J Respir Cell Mol Biol (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lung dendritic cells have a potent capability to induce production of immunoglobulin A2008

    • 著者名/発表者名
      Naito, T. Suda, T., et al
    • 雑誌名

      Am J Respir Cell Mol Biol 38

      ページ: 161-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of HLA-A^* 0201-Restricted T-Cell Epitope on MPT51 Protein, a Major Secreted Protein Derived from Mycobacterium tuberculosis using MPT51 Overlapping Peplides Screening2008

    • 著者名/発表者名
      Aoshji, T., Suda, T., et al
    • 雑誌名

      Infect Immun 76

      ページ: 1565-71

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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