研究概要 |
本研究の目的は, 肺癌において最も一般的に認められる縦隔リンパ節転移を抑制する治療法はないかを検証することである. 癌転移抑制遺伝子導入を試みる遺伝子治療, 転移に関係するとされるムチン関連抗原に対する抗体療法, さらに抗腫瘍効果をうたわれるH2受容体拮抗薬(シメチジン)の投与の3つを候補として挙げた. その結果, 癌転移抑制遺伝子(MRP-1/CD9, KAI-1/CD82)の遺伝子導入により, 縦隔リンパ節への転移が著明に抑制されることが明らかとなった. シメチジンには, その抑制効果がないことも判明した. さらに, ムチン関連抗原に対する抗体療法の試みは, その抗原発現細胞のマウス生体内への移植が困難, 肺癌リンパ節転移モデルの作製が困難であることも明らかとなった.
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