研究概要 |
1.研究の目的:本研究では,肺末梢の小病変に対して気管支鏡で正確に検体採取を可能にするために,"硬さセンサー"の導入が有用かを検討している.すなわち,気管支鏡を病変付近まで挿入後,鉗子やブラシをX線透視で病変に誘導する前の「位置決定」に硬さセンサーを用いることが有用であることを検証することが目的である.初年度では気管支鏡用の硬さセンサーの開発と人体応用の前段階でのテストおよび末梢病変への適応を行った.また平行して有用性を比較検討する予定である超音波プローブでの検査データを集積した. 2.硬さセンサーの開発:気管支鏡チャンネルに挿入可能なプローブを開発した.プローブについてはすでに作られているものをプロトタイプとし,改良を加えて気管支鏡用に改良した,開発については日本大学工学部次世代工学技術研究センターと技術協力によって行った.プローブの径については気管支鏡の鉗子チャンネルを通過可能なサイズになっているものの,先端の強度についてはまだ十分に満足のいくものができていないため,引き続き改良中である.耐水性および機器全体の大きさ(ラップトップコンピュータと共に50cm四方の机に載せることが可能)については予想よりも良好に作成ができたため,消毒や可搬性に優れた臨床応用に適した機器になると考えている. 3.対照となる超音波検査群のデータ収集:上記の検討と平行して超音波検査による症例の検討を行った.有効なデータは50症例を超えている.超音波ガイド下の検査の問題点として画像からのみでは良悪性の判定が難しい症例があることが判明した,またエコーは腫瘍内にプローブが挿入されないと十分に描出されないため,周辺の硬さの変化が検出できる硬さセンサー併用が有用と考えられた.症例は引き続き集積を行う.
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