気管支喘息などアレルギー疾患は世界的に増加している. 大気汚染はその重要な発症要因の一つである. 妊娠中の大気汚染曝露が小児アレルギー疾患発症の抗原非特異的危険因子となるか否かについてマウスモデルで検討した. 大気汚染として石油燃焼灰燼の影響はすでに報告したが(文献3)、室内気汚染(ホルムアルデヒド、タバコ煙)についても、妊娠中の曝露で仔マウスは喘息病態を発症しやすくなることが示された. 曝露により新生児期の免疫状態に影響することが認められ、次世代のアレルギー疾患発症に対する環境因子と一次予防の重要性が強調された結果となった. また、発展的な研究としてケモカイン受容体阻害薬の喘息発症抑制効果を明らかとし、喘息発症におけるTh1リンパ球の関与を示した。
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