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2008 年度 実績報告書

オステオポンチンを分子標的とした悪性中皮腫の病態解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19590914
研究機関順天堂大学

研究代表者

高橋 和久  順天堂大学, 医学部, 教授 (80245711)

キーワード中皮腫 / オステオポンチン / CD44 / 抗がん剤耐性 / MRP
研究概要

前年度に引き続いてオステオポンチン(OPN)の中皮腫細胞機能に及ぼす影響を検討する目的でOPNの発現の低い二相型中皮腫細胞であるMeso-1にOPN遺伝子を導入した遺伝子導入株(Meo-1/OPN)とコントロール株(Meso-1/Mock)を樹立した。これらMeso-1/OPNとMeso-1/Mockを用いて各種抗がん剤対する感受性試験を行ったところ、OPN遺伝子にてvinorelbine(VNR), gemcitabine(GEM), etoposide(VPO-16)に対して抗がん剤耐性を誘導しえることを明らかにした。本年度は、臨床検体を用いて解析を行う予定であったが、分担研究者の宮元の退職により、今年は引き続きin vitroにおける中皮腫抗がん剤耐性機序について詳細な検討を行った。Meso-1にOPN遺伝子導入することで元々発現しているhyaluronate (HA) receptorであるCD44のアイソフォームに変化が生じ、その結果,HAへの結合性が亢進することが明らかになった。すなわちOPNを遺伝子導入することでCD44の高分子量アイソファームが減少し、その結果HAとの結合性が増強した。HAのCD44への結合によりAktのリン酸化が生じ、その結果、抗がん剤くみ出しポンプであるMRPの機能亢進を引き起こすことが機序と考えられた。これらのOPN遺伝子導入による抗がん剤耐性は、抗OPN抗体、抗CD44抗体、OPNsiRNA, CD44siRNAででほぼ完全に消失した。また、きわめて教務深いことに、VNRとVP-16に対する耐性は上述のMRPが関与することが明らかになったが、GEMはそれ以外の機序が考えられた。難治性腫瘍の代表である悪性中皮腫の抗がん剤耐性克服のための標的としてOPNあるいはCD44は有用であると思われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 胸膜中皮腫におけるオステオポンチンの抗がん剤耐性に対する検討2008

    • 著者名/発表者名
      田島健ら(高橋和久)
    • 学会等名
      日本肺癌学会学術集会
    • 発表場所
      小倉 (九州)
    • 年月日
      2008-11-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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