研究課題/領域番号 |
19590915
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
近藤 哲理 東海大学, 医学部, 教授 (90147132)
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研究分担者 |
谷垣 俊守 東海大学, 医学部, 准教授 (90246091)
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キーワード | 気道過敏性 / 肺機能検査 / 動物実験 / ラット / モルモット / 気管支喘息 / 慢性閉塞性肺疾患 / フローボリューム曲線 |
研究概要 |
今年度は、計画に従って喫煙によるラットの慢性閉塞性肺疾患モデル作成を試みたが、予備実験の段階で8週間の煙草煙曝露によっても、フローボリューム(FV)曲線と機能的残気量等での明らかな肺機能変化が得られなかった。この理由として、昨年度の実験においても、わが国で入手したNorway Brownラットの気道反応性が極めて低かったことが関係していると推測された。そこで、今年度は気道反応性が高いとの情報を得たモルモットを対象として、昨年類似の実験を行い、研究の推進を期した。モルモットは大型かっ体型が大きく異なるため、装置は再製作の必要があったが、年度半ばにFV曲線測定機は完成した。測定を行うと、モルモットのメサコリン、ロイコトリエンD4に対する急性反応はラットより遥かに高かったが、FV曲線はラットと異なり下行脚領域が狭いことが判明したため、まず、基本波形の取得を行った。次いで、吸入と静脈投与薬剤による気道収縮に対するFV曲線の下行脚形状が異なることが判明し、臨床で推測されている「吸入投与は大中径気道に主として作用し、経口薬は末梢気道に強く作用する」仮説の傍証が得られた。さらに、卵白アルブミン感作による喘息モデルの作成もラットよりは遥かに容易であり、気道反応も極めて高かったため、FV曲線は喘息モデルでのアレルギー性収縮と薬剤投与での急性気道収縮と異なることに言及できた。これらの結果は、平成21年の日本呼吸器学会と国際生理学会にて発表予定である。機能的残気量測定に関しては、現在は装置の作製中であり、平成21年夏頃完成する予定である。なお、成果の一部はJ Phsyiol Sciに投稿、revise後の再投稿が終了している。
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