研究概要 |
1.本邦に於ける間質性肺炎のSP-C(サーファクタント蛋白C)遺伝子変異新たにSP-C遺伝子変異を同定し、合計9つの変異が家族性及び孤発問質性肺炎に存在することを明らかにした。内訳はexon2 4箇所、exon3 4箇所(Brichos domain部分2箇所)、exon4 1箇所(exon4欠失)、これまで報告されていない変異は6箇所であった。SP-C遺伝子変異は成人発症間質性肺炎に比し新生児、乳児の間質性肺炎で有意に高率であった。本邦の変異の位置は、欧米と異なりexon2からexon3に多いという特徴を示した。 2.遺伝子導入法による野生型並びに変異SP-C蛋白の細胞内動態の分子生理学的比較解析プラスミドベクターを用いた遺伝子導入による変異SP-C前駆蛋白の細胞内動態を共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析では、brichous domainの部分の変異SP-C前駆蛋白は小胞体での蓄積を、S61Gや173Tを有する変異SP-C前駆蛋白は、early endo someへの蓄積を示し、変異の位置により細胞内動態が異なる事を明らかにした。これらの相違が細胞の機能異常の相違につながってくるのではないかと推測された。 3.遺伝子導入法による変異SP-C蛋白発現細胞の発現蛋白の網羅的比較解析 exon4欠失SP-C前駆蛋白は、小胞体ストレス蛋白、アポトーシス誘導蛋白の発現誘導し、S61G,173T変異SP-C蛋白は、小胞体ストレス蛋白の誘導は野生型SP-C前駆蛋白と変化なかった。
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