• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

MIFの腎炎発症進展における役割の解明とその治療応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19590928
研究機関北海道大学

研究代表者

佐々木 聡  北海道大学, 病院, 講師 (70312345)

研究分担者 小野寺 伸  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00359481)
キーワード糸球体腎炎 / マクロフアージ遊走阻止因子 / CD74
研究概要

MIF(macrophage migration inhibitory factor)は、自然免疫を司る上流因子として知られるが、近年腎疾患発症進展における役割の面において注目されている。本研究では、腎症における役割を情報伝達や腎炎発症・進展を司る関連分子との関連から解明する事を試みた。MIFのレセプターとしては、CD74 (MHC class IIインバリアント鎖)が知られる。今回、代表的な巣状糸球体硬化症モデルであるアドリアマイシン腎症を作製し、同分子の動態を調べたところ糸球体細胞等にCD74発現増強が非常に早期にみられる事が明らかになった。MIF欠損マウスにおいては、アドリアマイシン投与による腎組織障害が軽症である事を事前に明らかとしており、糸球体細胞によるCD74分子の発現性の制御がMIFによる組織障害機転のキー因子であ旨る可能性が示唆されてきた。現在、CD74と共にレセプター複合体を形成するCD44分子発現性との関連の解析を進めている毅階である。また、移植領域、腎炎、ネフローゼ症候群の治療に広く使われる薬剤であるシクロスポリンが、腎糸球体細胞によるMIF、CD74、CD44、他関連分子発現性に与える影響についても検討している。シクロスポリンをはじめとするカルシニューリン阻害剤による慢性腎障害の機転においても、尿細管上皮細胞におけるMIF発現が関与する事が明らかになってきている。現在、引き続きモデル動物を用いた研究を中心に検討を継続し、結果総括とする予定である。カルシニューリン阻害剤による腎障害は、同剤の使用頻度が増えるにつれ避けることのできない深刻な問題となりつつあり、本テーマについても研究をすすめていくことは大変意義のある事と考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Effective and safe treatment with cyclosporine in nephrotic children : a prospective, randomized multicenter trial2008

    • 著者名/発表者名
      Ishikura K, Ikeda M, Hattori S, Yoshikawa N, Sasaki S, et.al.
    • 雑誌名

      Kidney Int 73

      ページ: 1167-1173

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pediatric kidney transplantation is safe and available for patients with urological anomalies as well as those with primary renal diseases2008

    • 著者名/発表者名
      Morita K, Iwami D, Hotta K, Shimoda N, Sasaki S, et.al.
    • 雑誌名

      Pediatr Transplant 13

      ページ: 200-205

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi