研究概要 |
本研究では以下3項目を研究目的としている.1.新規転写因子関連糖尿病腎症モデルの確立,2.新規転写因子関連酸化ストレス負荷糖尿病腎症モデルの確立,3.糖尿病性腎症治療における前記転写因子の機能解析.平成19年度はMafAノックアウトマウス(MafAKO)およびMafKトランスジェニックマウス(MafKTg)の糖尿病性腎症の評価を行った.(1)糖尿病,腎障害の評価:MafAKOおよびMafKTgと対照群(Wild)の採血と蓄尿を行い血糖値,血清クレアチニン,尿タンパクを測定し,腎障害を評価.腎機能データは以下の通りであった。10週におけるMafAKO,MafKTg,Wildの随時血糖値は167.8±19.8mg/dL,193.6±29.4mg/dL,173.0±23.3mg/dL,血清クレアチニン0.40±0.00mg/dL,0.34±0.06mg/dL,0.32±0.05mg/dL,尿蛋白4.38±3.00mg/day,3.73±2.33mg/day,3.45±1.39mg/dayであった。20週におけるMafAKO,MafKTg,Wildの随時血糖値は252.3±70.3mg/dL,158.0±37.5mg/dL,159.8±76.7mg/dL,血清クレアチニン0.23±0.05mg/dL,0.27±0.06mg/dL,0.23±0.06mg/dL,尿蛋白3.85±3.05mg/day,5.65±1.42mg/day,4.85±2.81mg/dayであり、10週におけるMafAKOの尿蛋白の高値以外は3群間では、有意差は認められなかった。(2)腎組織の評価:また同時に腎組織評価を10週および20週にて行った。腎重量の変化の有無、糸球体腫大の有無の検討を行ったが、有意な差は認められなかった。(3)平成19年度では、同時にMafAKOとMafKTgを掛け合わせ,MafAKO/MafKTgマウスの糖尿病性腎症の検討を行った。初期評価では,糖尿病および糖尿病性腎症の発症が認められ,引き続き検討する予定である。
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