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2008 年度 実績報告書

皮質集合管のナトリウム再吸収と連動しないカリウム分泌機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19590962
研究機関自治医科大学

研究代表者

武藤 重明  自治医科大学, 医学部, 教授 (40190855)

キーワード皮質集合管 / カリウム分泌 / ナトリウム再吸収
研究概要

腎臓は摂取したKの約9割を排泄する臓器で、皮質集合管(CCD)がその役割を中心的に担っている。CCDにおけるK分泌はNa再吸収と連動し、血管側膜の起電性NaポンプとKチャネル、管腔側膜のNaチャネルとKチャネルが司っている。ここで、管腔内Na濃度がOになったらK分泌は完全に消失してしまうのかという疑問が生じた。そこで、本研究ではこの疑問に答えるべく、CCDにおける管腔内Na非依存性K分泌の有無とその機序を検討した。ウサギCCDを単離・灌流し、管腔内Na非存在下で血管側のK濃度を2.5から8.5mMに増加させると、Na存在下に比べその程度は小さいが、正味のK分泌量(JK)は増加した。また、V_TとV_Bはいずれも脱分極を示し、管腔内Na存在下で出現した過分極相は認められなかった。この時、経上皮コンダクタンス(G_T)と分画管腔側膜抵抗(fR_A)はともに増加した。血管側のK濃度増加に対するV_T、V_Bの脱分極と、G_T、fR_Aの増加は、Kチャネル阻害薬Baの管腔内または血管側への投与、Na/H交換輸送体阻害薬EIPAの血管側への投与によって部分的に抑制された。また、血管側K濃度を2.5から8.5mMに増加させると細胞内アルカリ化とJKの増加を認め、これらはEIPA存在下でいずれも抑制された。以上より、ウサギCCDでは血管側K濃度の増加に対し管腔内Na非依存性のK分泌機序が存在し、これは血管側膜のNa/H交換輸送体を介した血管側膜の起電性Naポンプの活性化および、それと連動した血管側膜と管腔側膜のKチャネルの活性化によって、絶妙にコントロールされていることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Basolateral Na^+/H^+ exchange maintains potassium secretion during diminished sodium transport in the rabbit cortical collecting duct2009

    • 著者名/発表者名
      Muto S
    • 雑誌名

      Kidney International 75

      ページ: 25-30

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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