6-8週齢のC57BL/Jマウスを経時的に24週間にわたって観察を行い、腎障害ならびに加齢に関連する項目について変化をきたしているか否かの比較検討を行った。さらに、以後の研究におけるマーカーとすべく細胞代謝による腎臓の携帯ならびに組織変化を検討した。収縮期血圧は加齢につれて軽度の上昇を示したが、有意差を認めなかった。腎機能の変化として血清クレアチニン値を測定したところ、有意な上昇を認めなかった(平均値0.24-0.30mg/dL)。腎重量は軽度の減少傾向を示したが、24週間の観察期間では有意差を生じなかった。次に、腎組織内マクロファージの浸潤の評価として、ED-1の免疫組織化学で染色し、画像解析ソフト(SCION Image)により定量化を行った。現時点では加齢とともにED-1陽性細胞が増加傾向を示した。腎線維化をMasson-trichrome染色ならびにα-smooth muscle actin(SMA)で評価したが、加齢により増加傾向を示している。現在、加齢を誘導する分子機構として、とくに最近注目を浴びているターゲット分子として、腎組織内の代謝ならびに寿命に関する因子(FOXO-1、Akt、Sirt1、Klotho、UCP-1)の検討を行っている段階である。さらに、T型カルシウムチャネルが加齢現象に影響を与える可能性を検討すべく、T型カルシウムチャネルの加齢に友夏発現変化ならびにT型カルシウムチャネル抑制薬の長期投与による腎組織の変化を検討している段階である。
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