Klotho蛋白の腎保護効果の作用機序の検討 Klotho蛋白発現プラスミドを培養細胞にelectroporation法にて遺伝子導入し、培養上清中のKlotho蛋白を回収し、Angiotensin II刺激下のヒト尿細管上皮細胞培養液中にKlotho蛋白を添加し、次に挙げる具体的項目について検討した。 ・Klotho蛋白により、活性酸素(ROS)・一酸化窒素(NO)産生がどう変化するかを特異的蛍光指示薬により検出し、2光子励起方式共焦点レーザー走査型顕微鏡を用い観察した。Klotho蛋白は、Angiotensin IIによるROS産生増加、NO産生低下を改善した。 ・NAD(P)H oxidaseの各コンポーネントの蛋白・遺伝子発現変化をWesternblot法、Real-time PCR法を用いて検討した。さらにLucigenin assay法にてNAD(P)H oxidase活性も測定した。Klotho蛋白は、NAD(P)Hoxidase発現、及び活性を抑制した。 ・ミトコンドリアDNA障害部位AP siteの検出、Long-PCR法によるミトコンドリアDNA障害検出、ミトコンドリア膜電位の測定、TUNEL法によるアポトーシスの検出を行い、ミトコンドリア機能を総合的に評価した。Klotho蛋白は、Angiotensin IIによるミトコンドリア機能障害に対し、保護的に働いた。
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