研究課題/領域番号 |
19590974
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢部 一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60372273)
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研究分担者 |
佐々木 秀直 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80281806)
秋本 幸子 (辻 幸子) 北海道大学, 北海道大学病院, 助教 (60374328)
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キーワード | 脊髄小脳変性症 / 運動失調 / PRKCG / ^<31>P-MRS / ノックインマウス |
研究概要 |
優性遺伝をきたす脊髄小脳変性症(以下SCA)のなかで、30〜40%は該当遺伝子や起因となる遺伝子変異が不明である。我々は長年にわたり、SCAの病因に関する研究を行ってきた。その過程で新しいSCAの遺伝子座を決定し、SCA14として世界で初めて報告した。次いで、その原因遺伝子がprotein kinase C gamma(PRKCG)遺伝子であることを解明するに至った。我々の報告した遺伝子変異はCa2+やdiacylglycerolが結合するPRKCGのC1 domainに位置していた。その後の複数施設からの報告でも、この部位は遺伝子変異の集積部位であり、PRKCGにおいて最も重要な役割を持っていることが推定されている。そこで今回の研究では、我々の発見した変異を導入したヒトPRKCG cDNA変異型及び野生型を用いてノックインマウスのヘテロ接合体、ホモ接合体を作製するべく研究遂行中である。野生型については相同組換えES細胞作製、キメラマウスを経てノックインマウス作製に成功し、現在系統維持目的に繁殖中である。変異型についてはES細胞作製を経て現在キメラマウス作製中であり、こちらについては来年度完成予定である。今後、これらを用いて、行動解析、病理学的解析、遺伝子発現解析、この系の酵素蛋白の活性測定を行う予定である。また、最近の遺伝性脊髄小脳変性症患者における遺伝子解析研究については、北海道においても16q-ADCAが高頻度であることや、本邦では点変異に起因するSCA5、SCA13、SCA27の各疾患が稀であることを明らかにし、論文発表を行った。今後、新たなSCA原因遺伝子解析を目指し、研究を進める予定である。
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