研究課題/領域番号 |
19590999
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
調 漸 長崎大学, 保健・医療推進センター, 教授 (40264220)
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研究分担者 |
佐藤 克也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (70398147)
西田 教行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40333520)
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キーワード | プリオン病 / 脳脊髄液検査 / 総タウ蛋白 / 14-3-3蛋白 / PMCA 法 |
研究概要 |
1)患者髄液を用いたクロイツフェルト・ヤコブ病の生化学的マーカーを用いた診断法としてプリオン病サーベランス委員会とプリオン病班会議の連携のもとに、髄液の総タウ蛋白、14-3-3蛋白の有効性を目的とした。 14-3-3蛋白は従来western blot法で検索されており定量化が困難であるが、western blot法でECL処理したメンブレンを電子メトリー解析処理にてバンドの半定量化を可能し、western blot法での陽性・陰性の判定基準を示しえた。一方CJDの髄液マーカーとして総タウ蛋白、14-3-3蛋白、NSE、S-100蛋白については当科にてすでに検討されている症例について検討を行った。(CJDのcut-off値を特異度70%以上とした。)これまでに検討できた古典型CJD282症例での生化学マーカーの陽性率の検討では(14-3-3蛋白:88.7%、総tau蛋白:95.7%、S-100蛋白:36.1%)総計282症例(14-3-3蛋白:86.5%、総tau蛋白:95.5%、S-100蛋白:40.5%)との結果を得た。 2)病理診断の機会が少ない本邦において、髄液などの比較的低侵襲で得られる検体で、病因特異的、即ち「異常プリオン蛋白」を検出する方法としてPMCA法の開発を目指した。CJD患者由来の検体(髄液等)中のPrP^<Sc>を検出し、診断に用いる目的で我々は、チオフラビンT(ThT)の蛍光強度測定による簡便でかつreal-timeにPrP^<sc>を検出できるリコンビナントPrPを用いた無細胞増幅法(real-time QUIC: QUaking-induced Conversion)の開発を試みた。その結果、様々な反応条件、特に反応溶液の組成(変性剤の濃度、pH、添加物など)を変えてreal-time QUICを行い、PrP^<sc>の検出感度を大きく高めることに成功した。
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