本年度においては、CIDP患者の脛骨神経SEPを糖尿病性ニューロパチー(DPN)と比較した論文が掲載された(筆頭著者:連携研究者塚本)。これにより、CIDPにおいては末梢神経近位部優位の障害を来すことが証明できた。この成果は2009年10月バンコクで開催された世界神経学会において発表した。また関連する研究として、Guyon管症例から明らかにされた尺骨神経複合筋活動電位(CMAP)における遠隔電場電位についての研究(研究協力者東原)、内側前腕皮神経の伝導検査方法の改良についての研究(研究協力者東原)が共に論文掲載された。また、先のCIDPにおけるSEP所見についての研究を直接発展させるものとして、感覚性Guillain-Barre症候群の脛骨神経SEPによる診断についての研究(研究協力者黒野)、感覚性CIDPにおけるSEP所見についての研究(研究協力者大石)が投稿準備中である。この他の関連研究として、CIDP同様の免疫性ニューロパチーであるGuillain-Barre症候群におけるA波の有用性についての検討(研究協力者川上)、糖尿病性ニューロパチーと手根管症候群(CTS)の電気診断についての研究(研究協力者伊藤)、尺骨神経CMAPにおける遠隔電場電位の起源についての随意収縮を用いた研究(園生)などが論文投稿準備中である。
|