研究課題
背景:レビー小体型認知症(DLB)は、併存するアルツハイマー病(AD)変化により症状が影響を受けるが、詳細は分かっていない。方法:高齢者連続剖検例を用い、レビー小体型認知症でアルツハイマー病変化かほとんどない例(Braakの神経原線維変化スコアが海馬ステージ以下、老人班ステージが新皮質ステージ以下)での病理所見と、認知症を伴わないレビー小体病(認知症を伴わないパーキンソン病:PD)における差を検出することで、責任病巣の抽出を試みた。さらに、レビー小体型認知症例に糖代謝(16F-FDG)、アミロイド(11C-PIB)、ドーパミン(11C-CFT:dopamine transporter、11C-raclopride:D2 recptor lig and 1)PETを行うことで、陰性例と陽性例の差の抽出を試みた。結果:純粋レビー小体型認知症の認知症の責任病巣は、新皮質ではなく、辺縁系病変、特に扁桃核、嗅内野、CA2-3のperforant pathwayのterminalの病巣が重要であることが明らかになった。特に、これまで注目されていない尾状核病変の重要性がクローズアップされた。一方臨床例の検討からは、当施設でDLBと診断された症例は全てPIB陰性であり、いわゆる通常型、AD型は検出できず、これらはADの中に埋もれている可能性が考えられた。DLB-PDのPET所見はやはり尾状核がが検出されたが、病状の進行に伴うものなのかどうか、今後さらに検討が必要である。考察・結語:純粋レビー小体型認知症の責任病巣として、動的神経病理学的に、尾状核が抽出された。今後さらに症例を増やし、検討していく予定である。
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http://www.mci.gr.jp/BrainBank/