DNAワクチンを筋注すると、筋肉細胞に取り込まれAβ-蛋白複合体が産生され細胞外に放出される。この複合体は免疫系を刺激し、抗Aβ抗体の産生を促進する。抗Aβ抗体は中枢神経系に到達してAβ沈着物に結合すると、そのFc部分を介してミクログリアが活性化し、Aβ沈着を貪食・消化すると考えられている。DNAワクチン治療、及び未治療マウスの脳切片を用いて、Aβとミクログリアの染色を行い、ミクログリアの密度、貪食の程度を定量解析した結果、治療群でミクログリアの活性化の程度が強いこと、貪食能が亢進していることが明らかとなった。一方、抗Aβ抗体によるAβ沈着物の直接分解や血中の抗体が脳内のAβを引き抜く効果は疾患初期には認められるものの老齢マウスではあまり働いていないことが明らかとなった。
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