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2007 年度 実績報告書

GLP-1とGIPによる協調的なインスリン分泌促進機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591032
研究機関秋田大学

研究代表者

山田 祐一郎  秋田大学, 医学部, 教授 (60283610)

キーワード糖尿病 / シグナル伝達 / インクレチン
研究概要

GLP-1とGIPはインクレチンと総称されるが、その作用は膵β細胞に存在するGLP-1受容体やGIP受容体だけではなく、膵外において認められる組織特異的な発現様式が、これらのインクレチン作用を決定する。GIP受容体は脂肪細胞に発現し脂肪など栄養素の蓄積を促進するが、この作用はGLP-1には認められない。その結果、通常食で飼育しても、GIP受容体欠損マウスは加齢に伴う内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積がないため、インスリン抵抗性が惹起されない。したがって、膵β細胞へのインスリン分泌需要が低いため、単離した膵島を用いた分泌実験で、グルコース濃度に応じたインスリン分泌は保持され、in vivoにおいては加齢に伴い耐糖能が改善する結果を得た。これは、野生型やGLP-1受容体欠損マウスでは、内臓脂肪の蓄積・インスリン抵抗性の増加によって、インスリンが過剰分泌することで、耐糖能が維持されているのと対照的である。また、GLP-1とGIPは膵β細胞外でも協調的に作用していることを明らかにした。すなわち、GIPが骨芽細胞に発現しているGP受容体に作用することで破骨細胞機能を抑制しているのに対し、GLP-1は甲状腺C細胞に発現しているGLP-1受容体に作用してカルシトニンを増加させることで、破骨細胞を抽制することを示した。したがって、GLP-1とGIPは異なる機序で骨を強化させる方向に働き、栄養の摂取に伴い消化管から分泌される因子であるインクレチンが、糖代謝のみならず骨代謝にも重要な役割を有していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The murine glucagon-like peptide-1 receptor is essential for control of bone resorption.2008

    • 著者名/発表者名
      Chizumi Yamada
    • 雑誌名

      Endocrinology 149

      ページ: 574-579

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel gastric inhibitory polypeptide (GIP) receptor splice variant in fluences GIP sensitivity of pancreatic β-cells in obese mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Norio Harada
    • 雑誌名

      Am J Physiology Endocrinol Metab 294

      ページ: E61-E68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genetic inactivation of GIP signaling reverses aging-associated insulin resistance through body composition changes.2007

    • 著者名/発表者名
      Chizumi Yamada
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 364

      ページ: 175-180

    • 査読あり
  • [学会発表] GIPシグナルの遮断は加齢に伴う耐糖能障害を改善する2008

    • 著者名/発表者名
      山田千積
    • 学会等名
      第50回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-05-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.akita-u.ac.jp/~rounen/achievement.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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