研究課題/領域番号 |
19591035
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
飯塚 勝美 岐阜大学, 医学部付属病院, 講師 (40431712)
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研究分担者 |
堀川 幸男 岐阜大学, 医学部付属病院, 准教授 (10323370)
武田 純 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40270855)
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キーワード | ChREBP / FGF-21 / Metabolic Syndrome / de novo lipogenesis / obesity / Diabetes mellitus / Non Alcholic steatohepatitis |
研究概要 |
グルコース活性化転写因子(Carbohydrate Response Elewment Binding Protein ; ChREBP)は、肝臓における脂肪合成の約60%を制御する転写因子であり、代謝症候群の肝臓ではChREBPの活性が亢進する。ChREBPの機能抑制は肥満糖尿病の改善につながることから、本申請計画はChREBPの活性制御による肥満糖尿病治療法を確立することを目指した。本年度は、ChREBP過剰発現マウスを用いたDNAマイクロアレイにより発現増加のみられた分泌蛋白を複数獲得した。Fibroblast Growth Factor-21(FGF-21)は血糖降下作用、肥満改善効果を有しているので、ChREBPとの相互作用について検討した。まず、ラット肝細胞において、グルコース刺激およびChREBPの過剰発現によりFGF-21の発現が顕著に誘導されること、かつChREBPの転写活性を阻害するdominant negative Mlx (dn-Mlx)の過剰発現によりグルコースによるFGF21の誘導が阻害されることを明らかにした。さらにマウスFGF-21プロモーターの機能解析によりFGF21遺伝子のグルコース反応領域を同定した。次に、FGF-21発現アデノウイルス感染マウスを作成し、肝臓で強発現させたところ血糖降下作用およびChREBP標的遺伝子の発現レベルが低下した。またFGF21をラット肝細胞に過剰発現した場合はin vivoでの成績と異なり、ChREBPの標的遺伝子の発現レベルは不変であった。従って、ChREBPはFGF21の発現を転写レベルで制御するが、FGF21は全身での血糖降下作用により間接的にChREBPの転写活性を抑制することが明らかになった。
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