ヒト脂肪組織を約100症例収集することが出来た。肥満で発現が亢進していることが報告されているレプチン、1L18遺伝子についてはBMIと有意な正の相関を認め、逆に肥満で発現が低下するアディポネクチンはBMIと有意に負の相関を認め、ヒト脂肪組織を利用した発現解析によって肥満やメタボリックシンドロームの病態形成に関与する新たなアディポカインの同定に役立つ可能性が確認された。今年度の成果として我々が新規2理糖尿病遺伝子として同定した遺伝子X(未発表データ)について遺伝子多型と遺伝子発現が相関することを確認した。更に、細胞外に分泌されるシグナルを持っている遺伝子でかつ肥満で発現が変化する遺伝子を上昇で17、低下で10見出すことが出来た。現在個々の遺伝子について、新規のアディポネクチンの可能性について検討中である。また、本研究で収集しているヒト脂肪組織を利用して、これまで2型糖尿病感受性遺伝子であることが報告されている遺伝子の近傍について標識SNPのタイピングを行い〜当該遺伝子の発現量との相関をみることによって、真に2型糖尿病感受性の原因となりうる遺伝子多型を同定出来ると考えられる。
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