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2007 年度 実績報告書

劇症1型糖尿病の成因・早期診断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591041
研究機関山梨大学

研究代表者

遠藤 登代志  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (00152017)

研究分担者 小林 哲郎  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
金重 勝博  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20377518)
キーワード1型糖尿病 / 自己免疫性膵炎 / アミラーゼ / 自己抗体
研究概要

劇症1型糖尿病は非自己免疫性1型糖尿病(タイプ1B型)の亜型として本邦より提起された病型であり、急激な発症・ケトアシドーシスの存在など極あて重篤な1型糖尿病であり、その早期診断法の確立及び成因の解明は緊急の課題である。
今回、患者血清を用いて抗体と反応する蛋白の探索目的で、ヒト膵cDNAライブラリーのスクリーニングを行い10のpositive cloneを得た。このうち7クローンはhuman amylase α-2A cDNAと同一であった。これをpTrcHisベクターに結合しリコンビナント蛋白を作成しWestern bolt解析を行い、さらに35S-human amylase α-2Aを作成し免疫沈降法を行った結果、human amylase α-2Aが劇症1型糖尿病の自己抗原であることが確認された。
一方、リコンビナントamylase α-2Aを用いて同抗原に対する自己抗体を検出すべく、ELISA系を確立した。これを用いて保存劇症1型糖尿病患者の自己抗体の有無を検討したところ、13例全例にamylase α-2A抗体が検出された。さらに興味深いことに15例の自己免疫性膵炎患者にも同自己抗体が検出された。しかし、2型糖尿病患者や正常者には1%程度にしか検出されなかった。
以上の結果は本自己抗体の検出が、劇症1型糖尿病や自己免疫性膵炎の早期診断にきわめて有用であることを示唆するものであり、今後臨床応用へ向けた試みを必要とする。一方、本結果は劇症1型糖尿病や自己免疫性膵炎の病因にamylase α-2A抗体が関与することも示唆するものであり、この方面からの検討も必要と考えられた。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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