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2007 年度 実績報告書

膵β細胞におけるフォークヘッド転写因子の核内転写調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19591051
研究機関神戸大学

研究代表者

中江 淳  神戸大学, 医学系研究科, COE上級研究員 (00344573)

キーワードFox01 / 膵β細胞 / 糖尿病 / Rosa26 / Lepr^<db / db>マウス
研究概要

本研究ではフォークヘッド転写因子FoxO1の核内転写調節メカニスムを分子レベルで明らかにするため、そのターゲット組織を膵β細胞に紋り研究を進めた。なぜならば、FoxO1が膵β細胞において、インスリン抵抗性下における代償性肥大を抑制する働きがあることが報告されており、生体内での糖代謝に最も顕著に影響を与えうるため、マウスを利用して表現型を解析する上で容易であると考えられたからである。本研究では2種類のFoxO1変異体、すなわち、活性型であるconstitutively nuclear(CN)FoxO1と抑制型であるtruncated(Δ256)FoxO1、をRosa26genomic locusにノックインさせた組織特異的FoxO1トランスジェニックマウス(R26^<floxneoCNFoxO1>およびR26^<floxneoCNFoxO1>)をまず作製した。両マウスをそれぞれ膵β細胞特異的にCre recombinaseを発現するInsCreトランスジェニックマウスとかけ合わせ、膵β細胞特異的に変異型FoxO1を発現するマウス(CNFoxO1InsおよびΔ256FoxO1Ins)を得、さらに、Lepr^<db/+>マウスとかけ合わせることにより、Lepr^<db/db>CNFoxO1InsおよびLepr^<db/db>Δ256FoxO1Insマウスを得て、それぞれLepr^<db/db>マウスとその表現型を比較した。現時点では、Lepr^<db/db>Δ256FoxO1InsマウスはLepr^<db/db>マウスに比べ、摂食時の血糖の低下、腹腔内ブドウ糖負荷試験における耐糖能の改善、インスリン分泌の上昇が認められた。また、糖尿病を発症したLepr^<db/db>マウスに認められる膵β細胞の縮小の遅延が認められた。しかしながら、FoxO1の標的遺伝子のーつでβ細胞において重要な働きを有するp27蛋白の発現には変化は認められなかった。以上のことは、抑制型のFoxO1を膵β細胞特異的に過剰発現させることでLepr^<db/db>マウスにおけるβ細胞の退縮過程に何らかの影響を及ぼしたと考えられる。現在、同細胞におけるp27以外のFoxO1標的遺伝子発現の検討、また、CNFoxO1Insマウスの解析を行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Forkhead transcription factor FoxO1 in adipose tissues regulates energy storage and expenditure2008

    • 著者名/発表者名
      Jun Nakae, Yongheng Cao, Miyo Oki, Yasuko Orba, Hirofumi Sawa, Hiroshi Kiyonari, Kristy Iskandar, Koji Suga, Marc Lombes, Yoshitake Hayashi
    • 雑誌名

      Diabetes 57

      ページ: 563-576

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The FoxO transcription factors and metabolic regulation2008

    • 著者名/発表者名
      Jun Nakae, Miyo Oki, Yongheng Cao
    • 雑誌名

      FEBS Lett 582

      ページ: 54-67

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規FoxO1結合蛋白による代謝調節機構の解明2007

    • 著者名/発表者名
      中江淳、曹永恒、沖美与、Kristy Iskandar、菅耕二
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会 第80回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] 新規FoxO1結合蛋白の同定と機能解析2007

    • 著者名/発表者名
      中江淳、曹永恒、沖美与
    • 学会等名
      第28回日本肥満学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-20
  • [学会発表] 新規FoxO1結合蛋白の同定と機能解析2007

    • 著者名/発表者名
      中江淳、曹永恒、沖美与
    • 学会等名
      第50回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2007-05-26
  • [図書] インスリン作用とフォークヘッド転写因子.カラー版糖尿病学 基礎と臨床 初版2007

    • 著者名/発表者名
      中江淳
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      西村書店
  • [図書] インスリンによる遺伝子転写調節機構.カラー版糖尿病学 基礎と臨床 初版2007

    • 著者名/発表者名
      中江淳
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      西村書店

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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