研究課題
本研究では2型糖尿病が末梢のインスリン反応性臓器におけるインスリン抵抗性とともに膵β細胞におけるインスリン分泌の相対的低下により発症することに着目した。今回我々は、インスリンによりリン酸化を受け、その活性が抑制される転写因子であるフォークヘッド転写因子Fox01に焦点を絞り、その活性型および抑制型変異体を膵β細胞で特異的に過剰発現させるマウスを作製しその表現型を解析するとともに、生体内での膵β細胞での遺伝子変化に与える影響を検討し新たなFox01の作用を追求した。Homologous recombinatlonにより、Rosa26-3AFox01およびRosa26-△256Fox01マウスを作製した。さらに、InsCreマウスとかけ合わせることにより、Rosa26-3AFox01-InsCreおよびRosa26-△256Fox01-InsCreを得た。Rosa26-3AFox01-lnsCreマウスは、2ヶ月時において空腹時の血糖の高値を認めた。Rosa26-△256Fox01-lnsCreマウスは、2ヶ月時の耐糖能はコントロール群と差を認めなかった。Rosa26-△256Fox01-lnsCreマウスをLeprdb/+マウスとかけ合わせることにより、Leprdb/+Rosa26-△256Fox01-InsCreマウスを得、さらにもう一度Leprdb/+マウスとかけ合わせることにより、Leprdb/dbRosa26-△256Fox01-InsCreマウスを得、Leprdb/dbマウスの糖代謝と比較した。腹腔内ブドウ糖負荷試験(IPGTT)において、有意差は得られていないが、Leprdb/dbRosa26-△256Fox01-InsCreマウスの耐糖能の改善傾向が認められた。
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Endocrinology (In press)
Endocr J 56
ページ: 121-130