研究課題/領域番号 |
19591058
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
近藤 龍也 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (70398204)
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研究分担者 |
水流添 覚 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (50398202)
本島 寛之 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (40398201)
松村 剛 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (20398192)
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キーワード | 糖尿病 / 温熱電流同時印加療法 / Hsp72 |
研究概要 |
温熱電流同時加療法(MET)が糖代謝改善効果を示すことの分子生物学的機序を明らかにする。 1. 高脂肪食負荷マウスに、パッドを当てるのみのコントロール群、温熱単独群、電流単独群、MET群を設定し、週2回施行(0.175V、42℃、10分間)した。その結果、 ●空腹時血糖値は、温熱単独群とMET群で有意に低下しMET群でより効果が大きかった。 ●糖負荷試験では、MET群のみ有意な血糖上昇抑制を認めた。 ●インスリン負荷試験では、MET群のみ有意な血糖低下作用を示した。 ●空腹時血清イシスリーン値は、MET群のみ有意に低値であり、温熱単独群では低下傾向を示した。 ●血清アディポネクチン値は、MET群のみ有意に高値となった。 ●血清レプチン値は、4群間に差はなかった。 ●各臓器におけるインスリンシグナルは、MET群のみ改善が認められた。 ●Hsp72の発現量は、MET群で最も多く、肝臓でのJNKリン酸化抑制効果および骨格筋でのGLUT4膜移行増強が確認された。 以上より、温熱と電流を同時に印加するMET群が最も糖代謝改善に効果的であることが実証された。温熱単独群も改善傾向が認められたが、METには及ばなかった。週に2回の施行では温熱のみでは十分な効果が期待できないが、電流を付与することで効果の増強が実現できた 2. 上記実験のコントロール群とMET群の、肝臓、筋肉、腸間膜脂肪、皮下脂肪を各々3検体ずつ摘出しマイクロアレイ実験を行っている。 現在、total RNA抽出からcRNA作成を行っており、Mouse Genome 4302.0 Array(39,000転写産物)へのパイブゾダイゼーションを予定している。
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