• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

新規ペプチド オベスタチンおよびグレリンの肥満に対する病態生理学的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19591061
研究機関宮崎大学

研究代表者

上野 浩晶  宮崎大学, 医学部, 助教 (00381062)

研究分担者 伊達 紫  宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70381100)
キーワードオベスタチン / グレリン / 摂食調節 / 肥満
研究概要

成長ホルモン分泌促進作用や摂食促進作用を持つグレリンと同一遺伝子にコードされている新規ペプチドオベスタチン、およびグレリンのヒトにおける摂食に対する作用を明らかにすることを試みた。body mass index (BMI)21.5±0.6の健常者16名(男性8名、女性8名、年齢22.2±2.5歳)にラコール(1kcal/ml、炭水化物62.5%、蛋白質17.5%、脂質20%)を早朝空腹時に450kcal摂取させ、30分おきに180分後まで経時的に採血を行い、血中の総グレリンおよびオベスタチン濃度を測定した。総グレリン濃度は負荷後60分に前値の53%にまで有意に低下したが、オベスタチンは負荷後も基礎値から有意な変化を認めなかった。以上の結果から、オベスタチンはヒトにおいては急性の摂食抑制作用を持たないことが示唆された。また、当研究室で行ったオベスタチンの齧歯類に対する投与実験では、末梢投与でも脳室内投与でも摂食量は対照と比べて差を認めなかったことから、オベスタチンの第一報で報告された摂食抑制作用は無いものと判断した。一方、グレリンをヒトに臨床応用する際に現時点では静脈内投与するしかなく、簡便とは言えないため、内因性のグレリンを増加させる方法を検討した。ラコールは400mlあたり1.4gのオクタン酸(=グレリンの脂肪酸修飾に必須)を含有しており、これをやせた慢性呼吸器疾患患者に内服させたところ、単回投与後に有意な血中グレリン濃度の上昇を認め、2週間連続投与により、血中グレリン濃度基礎値、BMI、血清蛋白量(アルブミン、プレアルブミン、トランスフェリン)、IGF-I、食欲の有意な増加を認めた。以上より、オクタン酸を多く含有するラコールの摂取はグレリン増加を促し、栄養療法として有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of obestatin in rat and human stomach and plasma, and its lack of acute effect on feeding behavior in rodents.2008

    • 著者名/発表者名
      Mondal MS, Toshinai K, Ueno H, Koshinaka K, Nakazato M.
    • 雑誌名

      Journal of Endocrinology 198

      ページ: 339-346

    • 査読あり
  • [学会発表] Oral administration of omega-3 polyunsaturated acids improves cachecticstatus in patients with chronic respiratory disease through the elevation ofplasma ghrelin levels.2009

    • 著者名/発表者名
      Ueno H, Shiiya 7 Kodama T, Matsumoto N, Ashitani J, Nakazato M.
    • 学会等名
      17^<th> International symposium on regulatory peptides
    • 発表場所
      Santa Barbara, CA, USA
    • 年月日
      2009-01-26

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi