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2008 年度 実績報告書

TCF7L2遺伝子による糖尿病の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19591064
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

古田 浩人  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90238684)

キーワード糖尿病 / インクレチン / TCF7L2
研究概要

TCF7L2遺伝子が2型糖尿病発症リスクの増加と関係することが明らかになってきているがその機序に関してはいまだ不明な点が多い。H19年度の研究において、同遺伝子の多型(rs7903146およびrs12255372)が欧米人に比べ頻度は低いものの日本人でも発症リスク増加と関係すること、さらには、リスクアリルを有する者ではグルカゴン刺激時のインスリン分泌反応が低下していることを見出した。今年度は、さらに、その機序について以下の検討を行った。まず、siRNAを用いてマウス膵インスリノーマ細胞株(MIN6細胞)のグルカゴン受容体およびGLP-1受容体の発現を抑制したところいずれもグルカゴン刺激によるインスリン分泌が部分的に低下した。このことから、日常臨床で膵β細胞機能の評価法として汎用されているグルカゴン刺激によるインスリン分泌には両受容体が関与しているものと考えられた。次に、リスクアリルを有する者では膵島でのTCF7L2発現量が上昇していることが欧米人におい報告されていることから、MIN6細胞にTCF7L2を過剰発現させインスリン分泌に与える影響を検討した。結果、グルコース刺激によるインスリン分泌には変化は認められなかったが、グルカゴン刺激によるインスリン分泌の低下が認められた。さらに、インスリン分泌に関連する遺伝子のmRNA発現量の検討を行ったところ、Kir6.2、IRS-2、グルカゴン受容体などの発現量には差は認められなかったが、GLP-1受容体の発現量が低下していた。以上のことから、TCF7L2は膵β細胞におけるGLP-1受容体の発現に関与しており、その多型による糖尿病発症リスクの増加機序のひとつとしてGLP-1作用の低下が関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TCF7L2遺伝子多型による2型糖尿病発症リスク増加機序の検討2008

    • 著者名/発表者名
      古田 浩人
    • 学会等名
      第20回分子糖尿病学シンポジウム
    • 発表場所
      東京コンファレンスセンター品川
    • 年月日
      2008-12-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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