臨床研究では、TCF7L2 遺伝子多型が日本人の2 型糖尿病の発症に関係すること、さらに、グルカゴン刺激に対するインスリン分泌反応の低下がその特徴のひとつであることが明らかとなった。基礎研究では、膵β細胞においてグルカゴン刺激はGLP-1 受容体を介すること、TCF7L2の過剰発現はGLP-1 受容体の発現を低下させることなどが明らかとなり、TCF7L2 遺伝子による糖尿病の病態にはインクレチンホルモンのひとつであるGLP-1 に対する反応性の低下によるインスリン分泌障害が関係していると考えられた。
|