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2008 年度 実績報告書

膵β細胞機能を制御する転写因子PDX1の上流シグナルのIn Vivoにおける解析

研究課題

研究課題/領域番号 19591067
研究機関順天堂大学

研究代表者

藤谷 与士夫  順天堂大学, 医学部, 准教授 (30433783)

研究分担者 綿田 裕孝  順天堂大学, 医学部, 准教授 (60343480)
キーワード転写因子 / 糖尿病 / 膵β細胞
研究概要

(背景)これまでに、我々は、pdxl遺伝子上流域-2kbに1.2kbpの長さからなる、種をこえて保存されたエンハンサー領域(AreaI-II-III)を同定している。Pdxl遺伝子locusよりAreaI-II-IIIを胎生期の最初から欠損するマウスpdxl^<△123/△123>は腹側膵芽の発育が一切認められず、背側膵芽は著明な低形成を示した。背側膵芽においては成熟型のランゲルハンス島が認められなかった。以上の結果は、AreaI-II-IIIが膵内分泌細胞の分化および膵ラ氏島の形態形成において重要な役割を有することを意味する。ただし、この実験系では胎生期よりAreaI-II-IIIが欠損していることによる形態形成の異常が時間経過とともに蓄積して、胎生後期の膵ラ氏島の形態形成の異常にも寄与している可能性がある。
(目的)本年度は、このエンハンサー領域AreaI-II-IIIが、内分泌前駆細胞から成熟内分泌細胞への分化誘導過程において果たす役割に焦点を絞り、解析を行なった。
(方法)すべての膵内分泌前駆細胞において一過性に発現する遺伝子、Ngn3のプロモーター制御下にCre recombinaseを発現するtransgene、Ngn3-Creを有するマウスを入手した。また、pdxl遺伝子のAreaI-II-IIIをloxP配列にて挟んだconditional alleleを有するpdxlflox Area123マウスと、pdxl nullの二種類のマウスを用意した。これらを交配してNgn3-Cre;pdxl^<flox123/->マウス(膵内分泌前駆細胞においてAreaI-II-IIIを欠損するマウス)を作製し、その表現型を解析した。
(結果)Ngn3-Cre;pdxl^<flox123/->マウスは新生児期において膵島の大きさは顕著に減少しており、それらは非β細胞(glucagon, PP, Somatostatin, Ghrelin産生細胞)によって構成されていた。β細胞(インスリン陽性細胞)数はほぼゼロに等しいほど少数であった。この結果から、AreaI-II-IIIを介したPdxl発現維持は、膵内分泌前駆細胞のpopulation拡大と、β細胞へのcommitmentにきわめて重要な役割を果たすことがin vivoにおいて示された。
(以上、未発表データ。)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 新時代の糖尿病学(1)病因・診断・治療研究の進歩・「膵β細胞の発生・分化機構」2008

    • 著者名/発表者名
      藤谷 与士夫
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      日本臨床

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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