研究概要 |
1)G蛋白質シグナルの過剰・異常とシグナル分子の相互作用の解析: レセプターとG蛋白質の共役は構造・機能上保存されている。AT1.CaR.V2などのレセプターの活性型変異体を作製・シグナルを検討した。 (1)野生型および変異休レセプターと下流のシグナル分子間との相互作用を、G蛋白質との相互作用、局在解析で検討した。 (2)レセプターダイマー形成とシグナルヘの意義を検討した。-特にAT1とB2レセプターは、ダイマーを形成することで、シグナルが大幅に増幅され、自律的にも活性化するとされており、これが高血圧などの病態において重要な役割をはたしているとされている。今回、我々は、種々の培養細胞において両レセプターを共発現し、シグナルの増強、ダイマー形成を検討した。その結果、この現象は普遍的には存在しないこを明らかにした。 (3)インバースアゴニストの(1)(2)に対する抑制効果を確認した。 2)レセプターとG蛋白質の相互作用を遮断する遺伝子導入と薬剤: レセプターとG蛋白質の相互作用を遮断することを標的とする制御法の開発をめざす。 (1)レセプター・G蛋白質相互作用部位を標的とする変異体シグナル分子を作成し、レセプターによる活性化の遮断の有効性を検討した。 (2)インバースアゴニストとの相互作用を検討し、AT1の活性型変異体を用いて、ARBの効果を検討した。 (3)種々のシグナル出力を比較検討し、薬剤活性がどの出力に対しても同程度に作用するかを検討した。疾患で発見した自己抗体(Makita N et al.PNAS 104: 5443-5448,2007)と類似の作用を薬剤で検討した。また、自己抗体との相互作用の存在を明らかにした。
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