1.MRのSUMO化の修飾の検出法の確立HEK293細胞などに、MRとSUMO-1のプラスミドを強制発現して、免疫共沈降法でSUMOのバンドを検出するin vivo sumoylation assayを確立した。しかし、全長MRのSUMO化修飾の検出を常に行うことは困難であった。一方、N末端のみのMR(1-670)のSUMO化は非常に効率に検出可能であったことから、C末端部分がSUMO-1のMRへの結合を阻害する可能性が示唆された。一方、本申請研究では、酸化ストレスによるMRの蛋白修飾の変化を検討したいことから、再現性のあるMRのSUMO化修飾の検出法の確立が重要である。そこで、Western blotting法によるSUMO化MRの検出M確立することができた。 2.MRのSUMO化修飾に及ぼす各種因子の影響0.1mMH2O2を添加したが、明らかなMRのSUMO化修飾の変化を認めなかった。一方、10-8M aldosteroneを添加すると、MRのSUMO化修飾の減少をWestern blotting法にて認めた。この現象は、(1)Aldosterone結合によるMRの立体構造の変化により、SUMO-1の結合が阻害、(2)aldosterone処置により、SUMO化酵素Ubc9などがdownregulationされた、(3)aldosterone処置により脱SUMO化酵素SENP1などがupregulationされた、などの可能性が推察され、本年度以降、これらの分子機構を明らかにする必要がある。3.MRの脱SUMO化によるアルドステロン作用調節野生型およびSUMO化欠失MRの安定発現細胞株を樹立し、aldosteroneによるSgk mRNAの誘導を検討すると、SUMOの化欠失MR細胞において野生型MR細胞の約4倍の発現を認めたことから、MRの脱SUMO化はアルドステロンの感度を亢進させることが示された。
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