研究課題/領域番号 |
19591091
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
宮里 幹也 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (50291183)
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研究分担者 |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 研究所, 所長 (00112417)
伊達 紫 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70381100)
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キーワード | ペプチド / 生活習慣病 / 摂食調節 / グレリン / ニューロメジン |
研究概要 |
肥満は、高血圧・心血管障害・糖尿病などの生活習慣病を頻発させ、その治療と予防は医学的・社会的に大きな課題である。摂食・エネルキー代謝調節の分子レベルでの病態の解明は、近年急速に進んでいる分野であり、肥満のみならずそれに起因する生活習慣病を総合的に治療する新しい治療法の開発につながるものと期待される。 申請者らは、2005年にオーファン受容体発現細胞系を用いたアッセイ系によるリガンドスクリーニングにより、 ニューロメジンS(NMS)と命名した新規の生理活性ペプチドをラットの脳より単離した。本ペプチドはその生理作用の-つとして、摂食抑制作用を有することを報告しているが、19年度は、脳室内投与によりNMSか視床下部室傍核および視梁上核に作用し、バゾプレッシン分泌促進を介し、体液量調節に関与することを明らかにした。 また、摂食促進ペプチド,グレリンの受容体であるGHS-Rの迷走神経節における発現調節について検討した結果、GHS-R発現は目内変動を有し、さらに、摂食状態や迷走神経切断、消化管ペプチド(コレシストキニン、ガストリン) 投与により調節を受けており、GHS-Rの生合成は中枢性および末梢性に制御されていることが判明した。リガンドのみならず、受容体の発現調節によっても生理作用が制御されている可能性が示唆された。 新たな生活習慣病に関連するペプチドの探索を目的として、脳、消化管および脂肪組織に発現するオーファン受容体の安定発現細胞株を作製するとともに、オーファン受容体を用いた新規内因性リガンドの探索ための新たな方法として受容体インターナリゼーションを用いたアッセイ法を確立し、新規生活習慣病関連ペプチドの探索を推進中である。
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