研究概要 |
研究代表者らは以前から科学研究費補助金を有効に活用し, 血小板葉状仮足にWAVE2やabi-1などがあることを報告した(Blood誌2005). ついで, 研究代表者ら東大医科学研究所江藤浩之博士らと, 血小板のRacの生理的意義を検討するために, マウスES細胞由来巨核球のWAVE2やabi-1をノックダウンし, Racと関係が深い葉状仮足の形成に両者が必須の役割を果たしていることを証明した(Blood誌2007). 本年度, GIT1は低分子量GタンパクのArf-GAPであると同時に, 様々の足場の蛋白として作用する重要な蛋白である, 研究代表者らは, このGIT1が血小板においてインテグリン刺激などで第392チロシン残基がリン酸化され, しかも, このリン酸化により, がん遺伝子産物Nckの結合サイトがGIT1上に形成されることを明らかにした上に, これが類似するGIT2にも共通する減少であることを証明した(2008, 日本生化学会大会にて発表). 研究代表者らはさらに別の, Arf-GAPであるASAP1やARAP1などの研究も継続中である, 以上は進行中の研究のごく一部の成果の紹介である. このように申請代表者は本研究課題の申請書に忠実に則り, 血小板の低分子量Gタンパクおよびその調節因子に関して一定の成果を挙げた.
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