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2008 年度 実績報告書

アポトーシス関連遺伝子改変マウスを用いた巨核球成熟、血小板産生機構の系統的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19591094
研究機関筑波大学

研究代表者

小島 寛  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10225435)

研究分担者 鈴川 和己  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50334066)
キーワード巨核球 / アポトーシス / caspase-3 / Bim / 幹細胞 / 細胞周期 / 血小板産生
研究概要

【目的】巨核球(MK)の生存にはBc1-xLが重要な役割を果たすが、他のapoptosis(Apo)関連タンパクが巨核球のApo、分化・成熟に果たす役割は今日まで解明されていない。本研究では、caspase-3(casp-3)およびBim(proapoptotic BH3-only protein)の役割の解析をとおして、apoptotic processのMK造血への関与を検討した。【方法】造血細胞にのみbc1-2を過剰発現させたvav-bc1-2Tgおよびbim KOマウスを用いた。造血幹細胞(CD34-/KSL)、前駆細胞(KL)、MKを材料とした培養実験、マウスへの5-FU投与実験によって、それぞれin vitro,in vivoのMK造血能を検討した。【結果・考察】5-FU投与後の血小板回復を観察したところ、WTでは投与後8日目以降に血小板数のovershootがみられたが、vav-bc1-2Tgでは認められず、bimKOではovershootに先立つ早期の血小板回復が遅延していた。血小板回復期の骨髄を観察したところ、骨髄内MKは数、サイズ共にvav-bc1-2Tgでは有意に低下していた。さらに造血幹細胞をTPO存在下で培養しMKへの分化能を検討したところ、vav-bc1-2Tg,bimKO血球ともに幹細胞からMKへの分化能の低下を認めた。vav-bc1-2Tgでは幹細胞の細胞回転に異常は認めなかったが、bimKO.ではGlからS期ぺの細胞周期進行が遅れることより、casp-3活性化とBimは異なる機序で幹細胞からMKへの分化に関与していると考えられた。一方、幹細胞、MKをサイトカイン存在下で培養後にサイトカインを枯渇しApoを誘導したところ、Bim欠損血球はWTと比較してApoに有意に耐性であることより、BimはMKのApo制御に重要な役割を果たすと考えられた。最後にMK胞体突起形成能を観察したところ、vav-bc1-2Tg、bimKOともにWTと差は認められなかった。以上より、caspase-3活性化はMK初期分化に必須であること、血小板産生にcasp-3の活性化は関与しないこと、BimはMKのApoおよびMK造血初期の細胞周期エントリーを制御することが明らかになった

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Caspase activation is involved in early megakaryocyte differentiation but not in platelet production from megakaryocytes.2009

    • 著者名/発表者名
      Kozuma Y, Yuki S, Ninomiya H, Nagasawa T, Kojima H
    • 雑誌名

      Leukemia (In press)

  • [学会発表] Functional Analysis of CD9 during Megakaryopoiesis.2008

    • 著者名/発表者名
      Kono T, Mukai H, Kozuma Y, Kojima H, Ninomiya H.
    • 学会等名
      50th annual meeting of the American Society of Hematology
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] 巨核球造血におけるcaspase活性化の役2008

    • 著者名/発表者名
      上妻行則,河野智子,二宮治彦,小島寛
    • 学会等名
      第70回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-10-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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