研究課題
基盤研究(C)
血小板機能の発現には、各種の膜表面受容体(ADP受容体、コラゲン受容体、トロンボキサン受容体など)と、受容体以降の刺激伝達機構の関与が極めて重要な役割を占める.申請者らは血小板機能異常症のうち、このどちらかの障害に起因するものを血小板シグナル伝達異常症とする概念を提唱し、すでに前者の病型のひとつとして、トロンボキサン受容体の異常によるシグナル伝達異常症(first cytoplasmicloopのArg^(60)→Leuの変異)を報告している.今回は同様の血小板凝集異常を呈するにもかかわらず、この変異が認められない症例を対象に病因解析を行った.その結果、(1)GqとPLCβ間の刺激伝達異常、(2)血小板内のGαqの発現量の減少、(3)細胞内Ca動員、MLC燐酸化へ至る血小板活性化経路よりdistalの経路の異常か、これらの経路とはindependentな他の経路の異常、が病因と考えられる例を発見した.この事は、血小板トロンボキサン受容体を介する機能異常症には受容体の異常のみならず、これとカップルしたG 蛋白の量的異常やPLCβとの連関異常、さらにその遠位部の異常など多型にわたることが明らかとなり、血小板トロンボキサン受容体を介する機能制御に新たな知見を与えるものと思われた.
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