研究課題/領域番号 |
19591108
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60346202)
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研究分担者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
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キーワード | アナモルシン / 悪性リンパ腫 / 生物学的予後指標 |
研究概要 |
アナモルシン(AM)は我々の研究室で同定した細胞死に抵抗性を示す新規分子である。本研究では、AMに対するモノクローナル抗体を用い、悪性リンパ腫、特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)における発現を免疫染色法にて調べ、臨床データと比較することにより、AM発現の意義を検討した。対象は大阪リンパ腫研究会に登録されたDLBCL患者234症例とした。全症例をAMの発現強度にもとづき、全生存率(OS)をみたところ、AMの強発現群(89例)と陰性又は弱発現群(145例)との間に有意な差を認めなかったが、Rituximab(Rx)による治療の有無で2群に分けOSを検討すると、Rxによる治療を行っていない群においてAMを強く発現している症例は有意に生命予後が不良であった。また、国際予後指標(IPI)ごとに分けて検討すると、Low IPI群において、AM強発現症例の生命予後が有意に不良であった。また、他の生物学的マーカーであるGCB type or Non-GCB typeに分けた場合もNon-GCB typeにおいて、AM強発現症例の生命予後が有意に不良であった。この研究結果から、AMが一部の悪性リンパ腫において強く発現していることと、Low IPIあるいはNon-GCB typeのDLBCL症例、特にRx治療を行っていない場合に、生物学的予後不良因子となりうる事が明らかとなった。
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