研究課題/領域番号 |
19591109
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80252667)
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研究分担者 |
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70324762)
柏木 浩和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10432535)
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キーワード | インテグリン / α_<IIb>β_3 / P2Y12 / 巨核球系細胞株 / CMK / リガンドカイネティック |
研究概要 |
本研究において、申請者らはインテグリンα_<IIb>β_3に関して新たにリガンドカイネティックアッセイを開発し、種々のアゴニスト刺激におけるα_<IIb>β_3のよりダイナミックな解析を行った。その結果、ADP受容体P2Y_<12>は初期のα_<IIb>β_3活性化には必須ではないが、活性化の維持に重要であることを明らかにした。さらにそのシグナル伝達において、P2Y_<12>欠損血小板においては刺激初期のRap1Bの活性化は惹起されるものの、その活性化が維持できないことも明らかになった。巨核球系細胞株であるCMK細胞においては、P2Y_<12>の発現は検出されずα_<IIb>β_3活性化は一過性であったが、P2Y_<12>を強制発現させるとα_<IIb>β_3の活性化の持続時間が延長した。 一方、Semaphorin3A(Sema3A)はα_<IIb>β_3の初期活性化を抑制し、さらに放出反応も抑制するなど血小板機能を広範に抑制するが、その作用としてGPCRを介した刺激としてトロンビン、GPCRを介さない刺激としてconvulxin(CVX)によるGPVIからのシグナル伝達を解析した。その結果、Sema3AがこれらのアゴニストによるAktの活性化およびRap1Bの活性化を抑制することが明らかになった。一方、Sema3Aはトロンビンによる細胞内Caイオン上昇は抑制しないが、CVXによる細胞内Caイオン上昇を若干抑制した。 以上より、P2Y_<12>がα_<IIb>β_3活性化の維持に必須の分子であり、Sema3Aが血小板機能の負の制御因子として機能していることが明らかになった。
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