• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

Wnt・Rhoシグナルを分子標的とした骨髄腫の間質細胞接着依存性抗癌剤耐性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 19591124
研究機関札幌医科大学

研究代表者

小船 雅義  札幌医科大学, 医学部, 講師 (90336389)

研究分担者 加藤 淳二  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20244345)
キーワード骨髄腫 / Wnt / Rhoシグナル / 骨髄間質細胞 / 薬剤耐性
研究概要

多発性骨髄腫に対する標準的化学療法は一時的には奏功することが多いものの、腫瘍細胞を完全に排除することが出来ず、治癒を得ることは極めて困難である。その理由として、骨髄stroma細胞と腫瘍細胞の相互作用によって惹起されるde novoの抗癌剤耐性の関与が想定されているが(Cell adhesion mediated drug resistance, CAM-DR)、その分子機構は完全には明らかとされていない。本研究ではWntが細胞接着や増殖を制御する因子であることに着目し、血液腫瘍におけるWntの発現と抗癌剤耐性への関与を解析した。まず、各種細胞株でのWntの発現と、ストローマ細胞への接着性を比較解析した後に、Doxorubicn処理後のstroma細胞存在・非存在下における生細胞数を算定することで、薬剤耐性を検討した。その結果、今回検討した4種の骨髄腫細胞株すべてにおいてWnt3の発現が検出され、その発現量は骨髄腫細胞のstroma細胞への接着性と相関していた。高接着性・骨髄腫細胞株のうちの1つであるARH-77とstroma細胞の共培養でDoxorubicinに対する薬剤耐性は、stroma非存在下に比し有意に上昇したが、抗integrinβ1抗体あるいはWntinhibitorであるsFRP-1によって約70%まで解除されたものの、抗integrinα4抗体で解除されなかった。さらにWntシグナルの下流を、Rho kinase inhibitor Y27632の添加により遮断すると、CAM-DRはstroma非存在下のレベルまで解除された。これらの結果より、骨髄腫において、Wnt3/RhoA経路はintegrinβ1依存性CAM-DRを惹起するために不可欠な役割をしている可能性が示唆された。今後、どのintegrinα鎖が用いられているか基礎的検討をすすめるとともに、Fasudilなど人体に投与可能なRho kinase inhibitorを用いる他、抗integrinに関する検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Wnt3/RhoA/ROCK signaling pathway is involved in adhesion-mediated drug resistance of multiple myeloma in an autocrine mechanism.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobune M, et. al.
    • 雑誌名

      Molecular Cancer Therapeutics 6

      ページ: 1774-1784

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Iron/IRP-1-dependent regulation of mRNA expression for transferrin receptor, DMT1 and ferritin during human erythroid differentiation.2007

    • 著者名/発表者名
      Kato J, et. al.
    • 雑誌名

      Experimental hematology 35

      ページ: 879-887

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adenoviral Vector-Mediated Transfer of the Indian Hedgehog Gene Modulates Lymphomyelopoiesis in vivo.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobune M, et. al.
    • 雑誌名

      Stem Cells 26

      ページ: 534-542

    • 査読あり
  • [学会発表] Wnt3/RhoA/ROCK signaling pathway is involved in VLA6-dependent adhesion-mediated drug resistance of multiple myeloma.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobune M, et. al.
    • 学会等名
      The 49th Annual Meeting of American Society of Hematology : 2007
    • 発表場所
      Atranta, U.S.A.
    • 年月日
      20071208-11

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi