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2007 年度 実績報告書

網羅的遺伝子解析による急性骨髄性白血病の新規原因遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19591132
研究機関自治医科大学

研究代表者

山下 義博  自治医科大学, 医学部, 講師 (10326861)

キーワード急性骨髄性白血病 / 染色体構造異常 / Blast Bank / アレイCGH / がん遺伝子
研究概要

我々は効率の良いゲノミクス解析を行うことを目的として、AML症例を含む様々な白血病類縁疾患の患者骨髄より造血幹細胞相当分画のみを純化保存する大規模検体収集事業「Blast Bank」を設立した。平成20年3月時点で620症例を超える検体収集に成功しており、本バンクは純化ヒト疾患臨床検体のゲノミクスプロジェクトとして世界最大規模の一つとなっている。当該年度においては、本バンクに属するAML症例について染色体構造異常部位のデータベース構築の完成を目指した。具体的にはアフィメトリクス社のマッピング100Kアレイにビオチン標識されたゲノムDNA断片をハイブリダイズし、25kbpの平均解像度を以て全ゲノムに渡る詳細な染色体コピー数を測定した。我々は本アレイを使用しAML75症例の染色体コピー数変化(copy number alteration:CNA)やloss-of-heterozygosity(LOH)解析を行った結果、正常核型と診断されていたAML症例の多くに数百kbpから染色体全体にわたる構造異常を認め、またAML全体で遺伝子発現量に相関するCNA部位や、多症例に共通したLOH部位を複数同定した。これらLOH部位には固形腫瘍発症への関与が報告されているがん抑制遺伝子や、遺伝子変異により恒常活性化能を獲得することが報告されているがん原遺伝子が存在しており、これらはAML発症原因遺伝子の候補といえる。また塩基配列決定の結果いくつかの遺伝子にはアミノ酸置換を伴う遺伝子変異を認めており、この変異体と疾患との関連を検討した。また同定したAML特異的染色体構造異常部位に存在する個々の遺伝子について、症例毎に詳細な遺伝子変異の有無を探索し、AMLの原因遺伝子を明らかにすることを試みた。更に治療反応性や生命予後など臨床パラメーターにリンクした染色体構造異常部位の同定も試みた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of chromosome copy number in leukemic cells by different microarray platforms.2007

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Y., et. al.
    • 雑誌名

      Leukemia 21

      ページ: 1333-1337

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transforming activity of purinergic receptor P2Y,G protein coupled,8 revealed by retroviral expression screening.2007

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara S., et. al.
    • 雑誌名

      Leuk..Lymphoma 48

      ページ: 978-986

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of the transforming EML4-ALK fusion gene in non-small-cell lung cancer2007

    • 著者名/発表者名
      Soda M., et. al.
    • 雑誌名

      Nature 448

      ページ: 561-566

    • 査読あり
  • [学会発表] A large-scale resequencing Project of 〜5400 human genes in the genome of acute myeloid leukemia.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Y., et. al.
    • 学会等名
      Keystone Symposia
    • 発表場所
      米国コロラド州
    • 年月日
      2008-03-27

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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