研究課題/領域番号 |
19591135
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
江口 峰斉 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50420782)
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研究分担者 |
江口 真理子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40420781)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
山形 哲也 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30424047)
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キーワード | TEL / ETV6 / 赤芽球分化 / ES細胞 |
研究概要 |
転写因子TELの正常な血液細胞の発生・分化に関わる機能、特に赤芽球分化におけるTELの役割を検討するために、血液細胞特異的なGata1の遺伝子発現制御領域(IE3.9int)下にTELを発現するES細胞を作製した(GATA1-TEL ES)。コントロールの野性型のES細胞は血液への分化開始後5日後よりGATA1の発現が認められ、以降分化の進行にともない上昇した。一方TELの発現は分化開始前に既に発現しており、以降比較的発現は保たれていた。Gata1遺伝子発現制御領域下にTELを発現させたES細胞は血液細胞への分化にともないコントロールES細胞と同様に分化開始後5日後よりGATA1の発現上昇が認められ、即時にTELの発現も誘導された。内因性および誘導されたTELの発現量は分化開始6日後以降コンドロールES細胞と比較して有意に増加していた。TELの発現増加に関わらずGATA1-TEL ES細胞の赤芽球への分化能は野生型のES細胞と比較して変化はなく、細胞表面マーカー解析ではCD71陽性細胞群の割合は対照群と比較して明らかな差は認めなかった。分化開始7日後の細胞を用いてコロニーアッセイを行うとGATAHEL ES細胞ではコントロールと比較してBFU-Eが有意に高値であった。また分化開始7日後の細胞をEPO存在下で培養すると対照群に比較してCD71+TER119+分画の有意な増加が認められた。これらの結果よりES細胞の分化系ではTELの過剰発現は赤芽球系前駆細胞を増加させる効果があることが示された。
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