研究課題
基盤研究(C)
白血病の発症には様々な染色体転座・融合遺伝子が関与し、融合遺伝子による白血病化のメカニズムを理解することはその治療法の開発にも必要である。また染色体転座により形成される異常な融合蛋白は、多くの場合転座を起こした元の野生型蛋白の正常な働きを阻害することが知られており、融合蛋白の機能のみならず、正常蛋白の機能の解明も重要である。TELは造血器腫瘍で高頻度に染色体転座に関わり、様々な融合遺伝子を形成する遺伝子の一つである。またTEL遺伝子の存在する12番染色体短腕の欠失は造血器腫瘍でしばしば認められ、TEL遺伝子の機能喪失が造血細胞の腫瘍化に果たす役割が推測される。これまでの解析によりTELは骨髄造血に必須な転写因子であることが分かっているが、その詳細な細胞生物学的機能は未だ不明である。本研究では野性型TELが造血制御に果たす役割を明らかにするとともに、TELの欠失や変異が正常造血制御に与える影響、および白血病化、腫瘍化への関わりについて明らかにすることを目的とする。TEL機能の失活と白血病化の関連性を明確にすることにより、TEL関連融合遺伝子による白血病化の機構もより明らかにされる。
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