研究課題/領域番号 |
19591171
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
太田 昭一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (20346886)
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研究分担者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
金地 佐千子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50363429)
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キーワード | TLR4 / 気管支喘息 / 刺激抗体 / B細胞 |
研究概要 |
気管支喘息モデルマウスのオバルブミン(OVA)感作前にUT12を投与した群では気道炎症が抑制される。このマウスの肺組織のRT-PCRにおいて、UT12を投与した群ではIL-4、IL-13のみならず、IL-17Aの発現も抑制されていた上、IFN-γの発現も増強されていなかった。また、OVA感作後のマウスより脾細胞を取り出して、in vitroでOVA存在下に培養すると、UT12投与群でIL-4、IL-13、IL-17A、IFN-γのmRNA発現が抑制されており、また、IgG1およびIgEへのクラススイッチが抑制されていた。これらのことより、UT12がThバランスをTh1もしくはTh17に傾けてTh2への分化を抑制しているというよりは、UT12によりナイーブT細胞の応答全般が抑制され、Th分化が阻害されていることが考えられた。 そこで、どの細胞種にUT12が作用して感作を抑制しているか確認するために、OVA感作マウスより、樹状細胞、T細胞、B細胞を単離して、in vitroでOVA存在下に共培養し、T細胞の増殖程度を観察した。一般的にTh分化には樹状細胞が重要であり、この系でも樹状細胞にUT12が作用して、抗原の取り込みやプロセシングや提示といった過程が阻害されていると予想したが、UT12処理骨髄樹状細胞のT細胞プライミング能力は抑制されていなかった。一方UT12処理B細胞とT細胞を共培養すると、増殖が抑制された。即ち、UT12がB細胞に作用して、T細胞の活性化を抑制している可能性が示唆された。 平成20年度はUT12がB細胞にどう作用しているか、またUT12に刺激されたB細胞がどのようにT細胞の活性化を抑制するのかを研究していく。
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