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2007 年度 実績報告書

腸管免疫と腸内細菌との新たな相互作用システムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 19591184
研究機関東京医科大学

研究代表者

松本 哲哉  東京医科大学, 医学部, 教授 (10256688)

研究分担者 古賀 泰裕  東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
キーワード腸管免疫 / 腸内細菌 / bacterial translocation / CD1d / NKT細胞 / germ-free / プロバイオティクス / 緑膿菌
研究概要

NKT細胞はT細胞,B細胞,およびNK細胞に次ぐ第4のリンパ球として注目を集めている細胞で,抗原提示細胞上のCD1d分子によって糖質や脂質などの抗原を提示されて活性化を受ける.NKT細胞の作用が発揮できないCD1dノックアウトマウスでは肺からの緑膿菌のクリアランスが有意に低下することが明かとなっている.そこで本研究では,消化管粘膜免疫におけるCD1dおよびNKT細胞の役割について明らかにすることを主たる目的として検討を進めている.SPF条件下ではマウスの腸管内に存在するさまざまな常在菌が影響して,純粋に単独の菌に対する影響を調べることが困難であったため,CD1dノックアウトマウスのgerm-free(無菌)化に成功した.このマウスを用いてグラム陰性菌の代表的な菌である大腸菌を経口接種し,その後の腸管内における菌数の変化などについて検討を行った結果,野生型コントロールマウスに比べ,CD1dノックアウトマウスの腸管内での大腸菌の増殖は早期から有意に上昇していることが明らかとなった.またこの現象は大腸菌だけでなく,グラム陽性菌である黄色ブドウ球菌においても同様の傾向が認められた.菌接種後のマウスの空腸,回腸,盲腸,大腸の各部位について病理学的な検討を行ったところ,CD1dノックアウトマウスと野生型コントロールマウスで明かな差は認めなかった.ただしグラム陽性・陰性いずれの菌においても腸管内の動態で著明な差が認められたことから,NKT細胞が腸管の粘膜免疫において重要な役割を果たしていることが示唆された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Oral administration of Bifidobacterium longum prevents gut-derived Pseudomonas aeruginosa sepsis in mice2008

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T
    • 雑誌名

      J.Applied Microbiol. 104

      ページ: 672-680

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficacy of Bacteriophage Therapy against Gut-Derived Sepsis Caused by Pseudomonas aeruginosa in Mice2007

    • 著者名/発表者名
      Watanabe R
    • 雑誌名

      Antimicrob.Agents Chemother. 51

      ページ: 446-452

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Blocking of the TLR5 activation domain hampers protective potential of flagellin DNA vaccine.2007

    • 著者名/発表者名
      Saha S
    • 雑誌名

      J Immunol. 179

      ページ: 1147-1154

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸内細菌のコントロールによる感染症の制御2007

    • 著者名/発表者名
      松本 哲哉
    • 学会等名
      第10回日本臨床腸内微生物学会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2007-09-08
  • [図書] 内科学 第9版2007

    • 著者名/発表者名
      松本 哲哉
    • 総ページ数
      2008
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考]

    • URL

      http://www.tokyo-med.ac.jp/microbiology/publication2.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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