研究概要 |
今年度研究成果として以下の結果が得られた。今年度新たにMenkes病およびWilson病患者の責任遺伝子であるATP7A及びATP7Bの全エクソンの解析を行っている。その結果、Menkes病患者においてエクソン及びchaperonに変異が認められない患者がいた。この患者における遺伝子のプロモーター領域や転写因子(Sp1,AP-1,AP-2,E-boxなど)、メタル反応性因子(MREs)などに異常が存在するかどうか検討を行っている。Wilson病患者において変異が1つしか見つからない患者が存在した。このWilson病患者におけるATP7Bpromoter領域および5' UTR領域の検討を行っている。現在、変異が見つかっている患者についてもこれらの領域についての検討を行い、変異があるかどうかの有無を検討している。Menkes病患者5' UTR領域のprimerは既に報告しているものを使用して検討を行っている。女子におけるMenkes病患者ではchaperon領域の変異が認められなかったため、今後ATP7Aのreal time PCRを行い、mRNAの発現量について検討を行う予定である。また、Menkes病患者に関してもWilson病患者同様すでに同定がすんでいる患者およびコントロール患者との比較検討を今後行う予定である。 ATP7A遺伝子に関してその働きに違いが認められるかどうかをlysyl oxidase activityを検討する事により判断する方法を現在検討中である。
|