研究課題
本研究の目的は、大規模なゲノムコピー数の増減が疾患発症に関わるメカニズムを明らかにすることにある。そこで本年度は、CGHアレイ解析によりゲノム重複が原因であると診断されたPelizaeus-Merzbacher病患者由来サンプル4例を用い、fiver-FISH法にてゲノム挿入方向を確認した。解析したサンプルにおける重複は、X染色体長腕テロメア側はほぼ同じ領域から始まっていたが、セントロメア側の切断領域はさまざまであり、そのため重複のサイズにはばらつきが認められた。しかし、重複した断片は一様にタンデムに挿入されており、同じメカニズムで重複が起こっていることが示唆された。これまでの解析で、他の染色体上にもゲノムコピー数が増加している領域を発見しており、それらの領域においてもfiver-FISH法で挿入方向を確認し、ゲノム構造を明らかにしていく予定である。また、50例以上の成因の不明な先天異常患者サンプルを対象としたCGHアレイ解析により、これまでにまったく報告のない新たなゲノム構造異営を複数確認した。それらの多くの切断点にはゲノムコピー数多型が存在しており、ゲノムコピー数多型がゲノム構造異常の発生に影響を与えていることが明らかになりつつある。今後さらに詳細な検討を行い、遺伝子と疾患との関わりを明らかにしつつ、ゲノム病と言われる先天異常の中から新たな疾患概念を確立しておくことを次年度の課題と位置づけている。
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American Journal of Medical Genetics (印刷中)
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