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2007 年度 実績報告書

川崎病血管炎におけるリンパ系システムの分子制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591226
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

寺井 勝  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80207472)

研究分担者 安川 久美  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10375769)
キーワードVEGF-D / 川崎病 / リンパ管新生
研究概要

川崎病は原因不明の血管炎である。免疫グロブリン無効の重症例では冠動脈瘤の発生率が高く、重症例に対する新たな治療法の確立は社会や患者団体の求めるところである。我々は、血管透過性の亢進とこれに続く血漿タンパクの漏出(plasma leakage)による浮腫が重症川崎病のひとつの特徴であることを報告してきた。本研究では、川崎病血管炎におけるリンパ系システムの再構築の分子基盤を明らかにし、重症例の新たな治療に役立てることを目的とする。初年度は、リンパ管新生分子であるVEGF-CやVEGF-Dの関与が川崎病に認められるかをインビトロで検証した。
1)ELISA法により、血中のVEGF-C、VEGF-Dの濃度を熱性対照患者との比較でおこなった。その結果、VEGF-Cでは有意差を認めなかったが、VEGF-Dでは川崎病の回復期に有意に増加することが判明し、VEGF-Dが川崎病の治癒機転に何らかの役割をしていることが示唆された。
2)DNAマイクロアレイを用いて、末梢血球中のこれら分子のmRNAを熱性対照患者との比較で解析した結果、末梢血球からの産生はみられず、組織からの産生が示唆された。
3)RT-PCR法を用いて、DNAマイクロアレイの解析結果でも同様の結果であった。
4)川崎病剖検組織において、VEGF-D及びその主たる機能的受容体(VEGFR-3)の発現を免疫組織化学的に解析した結果、遠隔期川崎病や対照組織と比較して、VEGF-Dは浸潤単核球や心筋組織、血管内皮に発現、また受容体はリンパ管内皮に発現していた。以上より、川崎病血管炎において、VEGF-Dが何らかの役割をしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Treatment for Kawasaki disease-perspective2008

    • 著者名/発表者名
      Hamada H, Terai M
    • 雑誌名

      Nippon Rinsho 66

      ページ: 360-364

  • [雑誌論文] Impairment of angiogenic activity in the serum from patients with coronary aneurysms due to Kawasaki disease.2007

    • 著者名/発表者名
      Higashi K., et. al.
    • 雑誌名

      Circulation J 71

      ページ: 1052-1059

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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